漫画家ためになるラジオ マンガスクリプトDr.ごとう
-
- レジャー
-
マンガってどうやって作るの?漫画制作の裏側に興味がある人へ、プロがストーリーを作る時のちょっとした工夫など、知るとより深くマンガを楽しめる「ためになる気づき」をお届けしています!
語り手・ごとう隼平(マンガスクリプトDr.)/元漫画家・東京ネームタンク代表・コルクスタジオ編集長・京都芸術大学准教授 @goto_junpei
聞き手・ヨシキ/Web編集者 @moriri_nyo
-
ありったけの感謝!マンガ家が表参道に240名集合した「マンガ家大交流会」を開催しました #71
東京・表参道にて開催された「#マンガ家大交流会」。金曜夜に、なんと240名ものマンガ家さんが集まってくれました!本当にありがとうございました!
お礼を言いに来てくれる方も多かったですが、わざわざネームタンクや専科を受講してくれたうえに、さらに今もずっとマンガを描き続けてくれていること自体に、何よりもお礼を言いたいです!
そして今回あらためて約10年の講座の取り組みを振り返り、技術を教えることよりも大事な設計になっていたかもしれないと気づいたこと。
それは「自分では少し無理かもしれない」という目標、たとえば「3日間で32ページのネームを描く」という経験を積んでもらえたこと。
講座の内容自体は忘れても、体感は覚えており、それは人生に大きく影響していくもの。今後の講座の設計において、さらにその点を重視していきたいと決意した次第でした。
あらためまして、皆さん本当にありがとうございました!
最後にこの番組についてですが、作業ラジオとして聴いていただいてる方が多く、「あまり役に立つことばかりをずっと言われても、逆に困る」とのご感想をほぼ全員の方から頂戴しました。
そんなわけで、この番組は引き続き「余白多め」のラジオとして配信を続けていただければと思いますので、お便り等なにとぞ宜しくお願い申し上げます。
皆様からのお便りこそ、このラジオにおける交流会なので・・・! -
「普通なんてイヤだ」で逃げちゃダメ! 共感できるか、ちゃんと伝わってるかを正しく捉えよう #70
編集者からのフィードバックなどでよく用いられる「普通」という物差し。
「普通はこうなりませんよね」「普通の読者はわかりませんよ」など作品を注意されると、「普通ってなに?」「わざわざ普通を描く意味あるんだっけ?」など、普通という定義そのものに対して疑問を抱いてしまいます。
しかしそこに囚われていては、本質的な課題から目を背けることになってしまいます。
まずは「普通」の定義を編集者と揃えてみましょう。
もしかしたら、感情や展開を説明するのに必要なコマを省略しすぎてしまっているせいで、理解できない=普通でない描き方になっているのかもしれません。
あるいは、読者がまったく共感できない言動や行動を、主人公がとってしまっている可能性も。善悪とかではなく、なんでそんなことするのか本当にわからない=普通でない主人公になっているのかもしれません。
「普通=ありきたり、一般的」。だから普通でないものを描かないとダメなのでは? という捉え方をするのではなく、「普通=わかる」。
だからこそ「普通」という物差しを意識しながら、漫画を描いてみてください! -
表現の「引き出し」を増やすには? 整理整頓と見直し、そして言語化を繰り返そう! #69
「この表現、いいな」と感じた漫画のページやイラストをストックし、自身の表現の引き出しや幅につなげていくこと。
その過程で大切になるのは、どれだけその数を増やしたかではなく、どれだけ整理整頓や見直しを繰り返したかです。
覚えていなければ、頭に入っていなければ、ストックを増やしてもあまり意味がありません。
集めたストックをフォルダに分類する作業は、自身の好みの傾向を掴むことにも役立ちます。
どこが気に入ったのかを明確に把握するために、テキストに書き出してみつのもいいでしょう。言語化してみる、というのはとても有効な手段です。
漫画を描くうえで、自分の頭でいろいろ考える工程はどうしても発生しますが、イメージが湧くまでの時間はきっと全然違ってくるはず・・・
今回はそんなストックと引き出し方の関係の話、そして漫画家にとって永遠に解決しないテーマである「編集者とのコミュニケーション、どうすれば上手くいくか問題」について話をしていきます。
なお後者は、永遠のテーマなので、全然解決してません! 求む、皆様からのアイデア・・・! -
マンガをヒットさせるのは“ウリ”より“売り” 読者がお金を払っても読みたい「課琴線」はどこ? #68
1つの話の中に、あれもこれもと詰め込みすぎて、「パフェ全部盛り」状態になってしまう……。
漫画を描く人なら、誰もが抱える悩みではないでしょうか。
考えなければならないのは、漫画家としての自分のストロングポイントである「ウリ」と、読者がお金を払いたくなる「売り」がどこにあるのかということ。
「ウリ」の部分については、1つの話の中に入れている自分が良いと思う要素を、全部書き出してみましょう。
きっとたくさん出てくると思いますが、パフェでいう「季節のフルーツ」や「生クリーム」、または「コーンフレーク」といった素材に、各々切り分けることができるはずです。
そして「売り」の部分については、果たして自分の作品のどこに課金をしたくなるライン=「課琴線」が存在するのか、を考えてみましょう。
読者が面白い・良いと思う作品を描くことと、読者がお金を払ってくれる作品を描くことは、残念ながら決してイコールではありません。単に良い作品を描いてお金をもらう、というのはとても難しいこと。
売れるを意識するのはよくない、という意識はモノづくり全般において根強いかもしれませんが、「ウリ」だけではなく、「売り」が明確であることも、ヒットにはやはり必要なのです。
今回は、描き手がそこばかり注目しがちな「ウリ」と、目を背けられがちだけど読み手が求める「売り」について、真正面から向き合います! -
両方必要だけど、絶対に順番を間違えてはダメ! 漫画は「思い」が先で「物差し」が後 #67
漫画制作において、一番最初にあるべきもの。それは「こういうのやりたい!」という気持ちであり、イメージです。
その次に「これを表現するためには」という構造論。そして三番目に、「これを描くうえでの注意として」といった弱点などの指摘。
漫画家が持つ「これが大好き!」は、思いよりもさらに前に位置する超大前提みたいなもの。制作においては、思いが先で構造や指摘が後。この順番が何よりも大事になります。
一方で、構造論など「ヒットさせるための物差し」がないと、物語が完結しない、というそもそもの問題が生じてしまいます。
だからこそ、漫画家には編集者が必要ですし、いい話し合いのためには、いい関係値が必要となるのです。
今回は漫画家と編集者の関係性や役割などについてもしっかり語っておりますので、ぜひ最後までお聴きください! -
漫画で1秒でも早く読者に示さないといけないもの、それは「主人公の意志」だった! #66
構成としてはよく似ていても、描き方で大きく異なるのが映像作品と漫画作品。その大きな理由の1つとして挙げられるのが、「ながら」ができるかの違いです。
漫画は「ながら」で読めないからこそ、主人公の「こうしたい」という強い意志を早く示してくれないと、ページをめくるのが辛くなってしまいます。
だからこそ、映像が主人公の「行動」から意志を描いていくのに対し、漫画はとにかく主人公の「願い」をまず先に示し、読者に伝えるためにアクションを描くという順番になっているのです。
今回はそんな映画と漫画の描き方・見せ方の違いについて解説します!
※なお、本編は19:30 からになります! そこまでは、ただただ週末に『ゴジラ-1.0』を観たマンガスクリプトDr.ごとうの感想が続きます。