短くも濃密な5年間を駆け抜けた欅坂46。彼女たちのパフォーマンスは息をのむほど激しく美しかった。欅坂46は、乃木坂46に続く“坂道シリーズ”の第2弾グループとして2015年に結成された。ファーストシングル「サイレントマジョリティー」（2016年）は息苦しい世界を打破しようともがくシリアスなメッセージソングで、クールでシャープなアーティスト像を印象づけた。2016年から2019年まで8作のシングルと1作のオリジナルアルバムを発表。全シングルで平手友梨奈がセンターポジションを務めた。カリスマ的な魅力を放つ彼女を中心に、統制の取れたダンスとエモーショナルな歌で思春期の葛藤を体現する欅坂46は、アイドルシーンでひときわ異彩を放つ存在となる。また、欅坂46のアンダーグループとして結成されたけやき坂46も高い人気を誇った。欅坂46とは異なる魅力を持つけやき坂46は、次第にアンダーグループの枠を超えた目覚ましい活躍を見せ、2019年に日向坂46として独立を果たす。独自のアイドル道を貫き、圧倒的な支持を得た欅坂46だが、2020年に不動のセンターだった平手友梨奈がグループを脱退。ラストシングル「誰がその鐘を鳴らすのか?」はセンター不在で全員が主役を務めた。そして同年秋に開催したラストライブをもって5年間の歴史に幕を閉じ、新たに櫻坂46として活動していくことを発表した。