太田裕美

アイドルにしてアーティスト、その先駆けといえるのが太田裕美である。名曲「木綿のハンカチーフ」（1975年）のヒットで知られる彼女は、1974年のデビュー当時からルックスと歌声のキュートさで人気を得た存在。その頃のキャッチフレーズは“まごころ弾き語り”で、中でもフォーク的な楽曲には定評があり、アルバムとしては『心が風邪をひいた日』（1975年）が高い評価を受けている。ソングライティングも手掛ける一方で、大滝詠一に「さらばシベリア鉄道」（1980年）を託されたほどの歌い手だ。そんな彼女は大人の年齢になってもアイドル的な魅力を失わないままアーティスト活動を続けている。