最新リリース
- 2024年4月5日
- 1曲
- Prince · 1979年
- 1999 · 1982年
- Purple Rain · 1984年
- 1999 · 1982年
- Nothing Compares 2 U - Single · 1993年
- Graffiti Bridge · 1990年
- The Very Best of Prince · 1984年
- Diamonds and Pearls (Remaster) · 1991年
- Diamonds And Pearls (Super Deluxe Edition) · 1991年
- Batman · 1989年
必聴アルバム
- 1991年
- プリンスの最高傑作を92曲の再構築版にまとめ上げた人物による作品ガイド。プリンスが1987年にリリースしたアナログ盤2枚組のファンクロックアルバム、『Sign O’ the Times』は、ポップ史に名を残す偉大なる7年間の頂点といえる作品だった。そのリリースされたバージョンが、彼がこの作品のために作った曲のほんの一部でしかなかったというのは、ほとんど信じがたいことだ。「リリースされた曲とリリースされなかった曲の間に、あれほどクオリティの差がないアーティストは他に考えられない」と、プリンス財団で音源管理のチーフを務めるMichael HoweはApple Musicに語る。「彼がお蔵入りにしたり、他のアーティストにあげたり、完全に捨てたりしてしまった曲は、多くの場合、大半のアーティストの“最高傑作”より何倍も優れていたんだ」。今回リリースされる92曲のコレクションは、絶頂期のプリンスを徹底的に調べ上げた作品とも言える。『Dream Factory』(ザ・レヴォリューションと共に1986年の『Parade』の次作として作られていた)や『Crystal Ball』(バンド解散後の3枚組アルバムで、ワーナー・ブラザーズからボリュームを削るようにと突き返された)、そしてボーカルのピッチを上げたプリンスの変名プロジェクト『Camille』に収録される予定だった曲が収録されている。「プリンスの人生の特にこの時期は、クリエイティビティの嵐だった」と、Howeは言う。「彼は基本的に、スタジオでもツアー中でもノンストップでアルバムのプロデュースをしたり、曲を作ったり、お抱えバンドと一緒に仕事をしたりしていた。超人的なレベルの活動量だったね」2016年にプリンスが他界して以来、彼の伝説的な保管庫に眠る宝物と、同じく伝説的なスタンダードと秘密主義との折り合いを付ける作業は、Howe独自の任務だった。しかし、プリンスにとって最も多作とされ、神話化された年に終止符を打つ機会は、カジュアルなファンにとっても熱心なコレクターにとってもありがたいものであり、死後の好奇心というよりはむしろ公務のように感じられる。この壮大で物語にあふれた楽曲集はどこから手を付けたらいいのか分からないほどなので、Howeに今作の中から傑出した数曲を解説してもらうことにしよう。I Could Never Take The Place Of Your Man (1979 version)『Sign O' the Times』に収録されたバージョンと比べると、サウンド面でも感情的なインパクトの面でもはっきり違っていて、アレンジし直す決断をするまでに7年かかったことを考えれば注目すべきところがある。ある程度それも当然だと思うのは、最初にこの曲をレコーディングした当時のプリンスはソロアーティストで、それからザ・レヴォリューションのバンドリーダーのプリンスになって、それからまさにこの過程で、彼は再びソロアーティストのプリンスへと変貌を遂げたからだ。In A Large Room With No Lightラテンっぽい感じがあって、Wendy & Lisaの影響が強く感じられる曲で、コレクターやブートレガー(海賊盤の製造者)の間で出回っていた。これを、アルバムに収録された超ファンキーな他の曲と対比して聴けるのは、本当に特別なことだ。この曲は『Dream Factory』の最終形態と、後に『Crystal Ball』になったものに収録されていた。もちろん僕は当時スタジオにいたわけじゃないけど、僕の推測では、プリンスはわざとこういう曲からザ・レヴォリューションのDNAを取り除こうとしていたんじゃないかと思う。Power Fantastic (Live in Studio)これはあまり人に知られていないプリンスの一面を明かしてくれる曲で、彼がスタジオで起きるクリエイティブな魔法に対してオープンだったことが分かる。彼はかなり完璧主義な現場監督だというイメージがあると思うけど、このバージョンでは彼がバンドを導いて、間違いなんてないんだから自然にまかせていればいいって言っているのが文字通り聞こえるんだ。プリンスは自分の創作過程についてべらべらしゃべるような人じゃなかったから、リアルタイムでテープに録音された気さくな会話を実際に聴けるのはかなり意義深いことだと思う。Wally1986年の12月に、プリンスはエンジニアのSusan Rogersと一緒にスタジオ入りして「Wally」をレコーディングしたんだけど、Susanの記憶によると、それは信じられないほど見事なものだったそうだ。ただ理由は何であれ、プリンスは彼にそのテイクを削除するように指示して、翌日にまた録音し直すことにした。そのセカンドバージョンが今回のボックスセットに収録されたもので、完成に至ったものだ。でも、コレクター界の人たちやブートレガーが存在を信じてきた伝説上のファーストバージョンがあるんだ。僕としては、このセカンドバージョンがまったく同じ2インチのマルチトラックテープに録音されたから、ファーストバージョンが消されてしまったんじゃないかと疑っている。だからこそ「Wally」はよく知られているわけだけど、僕が偉大だと思うお蔵入りの曲の上位30パーセントには入らないね。Forever In My Life (Early Vocal Run-Through)これはこのアルバムの重要曲だけど、お蔵入りバージョンでかき鳴らされるアコースティックギターとこの別テイクのボーカルは特に圧倒的だと思う。多くの場合、彼のガイドボーカル(仮歌)は、他のアーティストの編集済みのマルチテイクのボーカルをはるかにしのぐ出来なんだ。彼は腰を下ろして、基本的にリアルタイムであっという間にやってのけることができる人だった。名人級レベルのクオリティだ。Colors and Visionsこの2つは正確な意味ではプリンスの曲じゃないけど、『Dream Factory』の最終形態の隙間を埋めるような曲だった。一つはWendyによるわずか1分半のギターの考察で、もう一方はLisaがピアノを弾いていて、彼女たちの演奏を何も合わせたり付け加えられたりしない状態で、歌詞もなしで聴けるのは素晴らしいことだ。プリンスのライブバンドの重要メンバーで、当時彼のクリエイティブな側近だった2人の演奏を堪能できる。この2曲に光を当てることができたのは、とりわけ特別だった。
- 全11曲約70分、LPでは2枚組で発表された通算5作目。前作「Controversy」同様、ザ・レヴォリューションのメンバーが一部に加わりつつも、基本的にはプリンス一人で制作。リレー形式のヴォーカルで始まる"1999"や、メロディックな"Little Red Corvette"をはじめとするほぼ全曲のドラムパートを、リズムマシンの名機リンドラムが担っているのも大きな特徴。独特のハンドクラップや、ピッチを下げたサイドスティック(リムショット)音によるパーカッシブな装飾フレーズは、彼のシグネチャーサウンドとしてしばらく多用された。地声によるロック的なシャウトが聴ける曲も一気に増え、多くの人がイメージするプリンスの音楽スタイルが開花したアルバムといえる。
- 1981年発表の通算4作目。アナログシンセの不穏なリフレインと、官能的なギターカッティング、一つのビートを延々と刻み続けるドラム。7分超のタイトル曲 "Controversy" と、続く "Sexuality" を聴けば、本作の濃密な世界から抜け出すことはできないだろう。アルバムタイトルの意味は"論争"。そこには、この音楽をどう受け止める?という問いかけが込められているかのようだ。LP時代のB面に相当する "Private Joy" 以降の5曲では、リズムマシンによる過激なビートメイクが炸裂。これまでと同じく一人多重録音によって制作されているが、後にザ・レヴォリューションの一員として知られるようになる Dr. Fink や Lisa Coleman、Bobby Z. らも一部に参加。
- 1980年代の幕開けと共に、ショッキングな出で立ちのジャケット写真で新しいイメージを打ち出した通算3作目のアルバム。まるでデモテープのような質感のタイトル曲"Ditry Mind"に代表される、ニューウェーブとエモーショナルなファンクの融合は、この作品以降の音楽的な柱の一つになった。エンジニアリングも含め、ほぼ一人だけですべての楽曲を作り上げる手法はデビュー以来一貫しており、そこから生まれる匂い立つような密室性もまた魅力的。古き良きロックンロールやソウルの味わいを残したナンバーも聴けるが、それらすべてが同じ空気感のサウンドで統一され、独自の世界を生み出している。その後の快進撃の予感に満ちた充実作。
- 2021年
- 2015年
- 2015年
- 2014年
- 2014年
- 2010年
- マルチな才能を作品に昇華させる唯一無二の天才アーティスト。
- 多くのフォロワーを生んだ音楽シーンのカリスマとしての存在感をビデオで堪能。
- 40年以上に渡ってラブソングを歌い続けたプリンスが贈る、ソウルフルな愛の歌を多数収録。
- プリンスならではのエネルギーとリズムが、あなたを新たな高みへと押し上げる。
- ダンスシーンで一世を風靡したプリンスの軽快なナンバーを、思う存分堪能できるプレイリスト。
- プリンスがさまざまな面で影響を受けた、偉大なミュージシャンの楽曲を集めたプレイリスト。
ライブアルバム
ベストアルバム、その他
- 2019年
- 2018年
- 2016年
- 2006年
- 2001年
- 1993年
プリンスについて
2000年代初頭、映画監督のケヴィン・スミスは、プリンスの曲を自分の映画に使えないかとプリンス本人にコンタクトを取った。プリンスはこれに対して、自分についてのドキュメンタリーを製作してほしいとスミスに頼んだ。スミスは「もちろん」と答えたが、このプロジェクトが軌道に乗ることはなかった。そもそも彼はドキュメンタリー作家ではなく、長編映画を作っていたのだ。スミスが引き揚げようとしたとき、プリンスのアシスタントの一人が、そんな簡単な話ではないと説明した。「どうしてだめなんだ?」とスミスは尋ねた。「自分には分かります。でも、プリンスは他の人たちのように現実を理解しないんです」またプリンスには、夜中の3時に電話をかけてきて、ラクダを飼えないかと尋ねたというエピソードもある。誰かをからかうためにやっているのではない。ただ、彼はラクダを欲しがっていたのだ。もちろんこれは面白い話なのだが、同時に、プリンスのビジョンの強さとそのこだわりを物語っている。ラクダは極端な例だ。しかし、想像してみよう。ニューウェーブやサイケデリアをファンクやR&Bとミックスする方法はない、と彼に言ったとしたらどうなっていただろう。あるいは、男がアンドロジニーを探求することは、そのセックスアピールを危険にさらすことになる、と。もしプリンスに、慣習的な境界線を尊重しなければならないと言ったとして、もし彼がそれを聞き入れていたとしたら、どれだけ画期的な芸術が失われていただろうか。1958年にプリンス・ロジャー・ネルソンとして生まれた彼は、10代でバレエのトレーニングを受け、高校卒業と同時に音楽活動を開始した。24歳までに『Dirty Mind』『Controversy』『1999』などの作品を発表し、80年代ポップミュージックのほぼすべてのスタイルを形成することに貢献した。30歳までに、彼は自身の自伝的映画のサウンドトラック『Purple Rain』でカルトヒーローとして、『Sign O’ The Times』ではビートルズ級のビジョナリーとして人々を魅了した。1978年のデビューから2016年に他界するまで、彼がアルバムを出さなかった年はほとんどなく、2作出した年もいくつかあった。彼はポップミュージックの真の普遍的な存在でありながら、常にはっきりとしたブラックミュージックの担い手であった。そして「When Doves Cry」や「If I Was Your Girlfriend」など、その性的エクスタシーと精神的超越を混ぜ合わせたサウンドの試みは、リトル・リチャードが始めた使命を終えただけでなく、それに身を任せればこの地球上で天国を見つけることができるというロックンロールの約束も実現させたのである。
- 出身地
- Minneapolis, MN, United States
- 生年月日
- 1958年6月7日
- ジャンル
- R&B/ソウル