英国を代表するシンガーが自身の音楽的ルーツであるソウル～R&Bの聖地、米テネシー州メンフィスに赴いて制作を開始した不遇の傑作。Jerry Wexler、Tom Dowd、そしてアリフ・マーディンという米ロック～ソウル界を代表する重鎮プロデューサーが3人も居並び、さらにはウィルソン・ピケットやElvis Presleyのバッキングで名をはせた超一流プレイヤーから成るThe Memphis Catsらも参加。作家陣には、Burt Bacharach & Hal Davidやバリー・マン＆シンシア・ワイル、ランディ・ニューマン 、さらにはジェリー・ゴフィン＆キャロル・キングも複数の曲を提供するという最強のラインナップだ。ダスティー・スプリングフィールドのキャリアを通して、またそれ以上にソウルフルなロックボーカルアルバムとして、リリースした1969年当時よりも後年になって大きな評価と賞賛を得ている。ニュアンスに富んだ素晴らしい歌い口と、湿り気のある美しいアレンジの妙を今こそ堪能してほしい。