「虹」や「winter fall」といったL’Arc~en~Cielの代表的なヒットシングルが収録された5作目のアルバムは、ドラマーとしてyukihiroが正式加入しての初作品。前アルバム「TRUE」では6名のアレンジャーを迎え多彩なアプローチを試みたが、今作では岡野ハジメとのタッグで制作された。シングル曲や、ラストに収録されたバラード"あなた"などストリングスアレンジが効いた曲の存在感が際立つ中、基本となるバンドサウンドや、バンドのグルーヴはより肝となり、新たな体制による変化も感じられる。ジャジーな「Singin’ in the Rain」や、楽器の演奏を一発録りした生々しく音のしぶきが迸（ほとばし）るような「Shout at the Devil」、ゴシックな香りをたたえてパンキッシュに疾走する「Promised land」など、刻みの細やかなビートとベース、ギターとのアンサンブルが新鮮であり気持ちがいい。アルバムのリリース前には活動休止期間があったが、東京ドーム公演で復活を果たし、再び軽やかにスタートを切っていくバンドのエモーションが詰まったアルバム。