デビュー時点での平均年齢は17歳、ブルースからロカビリーまで過去の音楽遺産への深い造詣を持ち、78回転のSP盤でDJをするどころか同じ仕様のレコードまでつくってしまう……などのおそろしい経歴を片手にシーンに登場した、’50sスタイルのロックンロールを奏でる3人兄弟、キティー・デイジー&ルイス。40〜50年代の音像を見事に再現してしまった彼らのようなジニアスにぶつかってしまったときにまず最初に気になるのは、彼らはいったいどうやってつくられたのか、だ。そのもっとも至極な問いに応えてくれるのがこのコンピレーション。本作は、キティー・デイジー&ルイスが自身のルーツとして選曲と監修を手がけたコンピレーションアルバムだ。ピート・ジョンソンと並んでブギウギピアノを形づくったアルバート・アモンズで始まり、リーバー=ストーラーに訴えられもしたハウンドドッグのパクり "ベア・キャット" のルーファス・トーマスなど、50年という長い年月を耐え抜いた真のクラシックを持つビッグネームが並ぶ。また、この中には彼ら自身の楽曲 "OOO WEE" も収録されているが、事前にそれを知らされることなく聞き始めたとしたら、確実にコンピレーションの1曲として聞かれてしまうところが、彼らのすごさだ。