GO! GO! NIAGARA

GO! GO! NIAGARA

大滝詠一がDJを務めていたラジオ番組の構成を持ち込んだ異色作。海外のDJが企画したレコードの様式を踏襲したもので、そのせいか間に挟まれる楽曲もオールディーズポップスの趣がある。最初と最後のテーマ曲やジングルは実際に番組で使われていたものだ。前作からの流れをくむニューオーリンズR&B的な「趣味趣味音楽」は、自身の作品への批判に対する返答の意味合いを持った一曲。「あの娘に御用心」は沢田研二に、「こんな時、あの娘がいてくれたらナァ」はシリア・ポールに提供した曲のセルフカバー。クライマックスである「今宵こそ」の、番組が終わる前のようなセンチメンタルなムードも印象深い。収録曲ほとんどのキーボードを坂本 龍一が弾いていたり、大滝が自身の声を多重録音したコーラス隊Jack Tonesが盛り上げていたりと、話題も多い。当時レコード会社との契約作品数をクリアするために、この制作現場では相当なハードスケジュールをこなしていたというが、そんな状況下でもこれだけ豊かなクリエイティビティを発揮した大滝の破格の才能がうかがえる一作だ。

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