Midnite Vultures

Midnite Vultures

前作「Mutations」から一転、軽快なブレイクビーツに高らかなホーンセクション、さらに T. Rex 風のコーラスにカントリーの早弾きバンジョーが次々と顔を出し、ベックの徹底した折衷主義を印象付ける "Sexx Laws" で幕を開けるカラフルな4枚目のアルバム。曲ごとにスライ&ザ・ファミリー・ストーンやプリンス、クラフトワークなどを思わせ、ヒップホップ時代ならではのリッチなミクスチャーポップ作品に仕上がっている。ゲスト陣も豪華で、"Milk & Honey" では元ザ・スミスのジョニー・マーが達者なギターワークを、"Beautiful Way" ではベス・オートンが気だるい歌声を寄せている。さらに、どこか怪しい印象的なアートワークは Boredoms の山塚アイによるもの。こうした顔ぶれからもベックのアンテナ感度の良さをうかがい知れよう。

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