千のナイフ

千のナイフ

巨匠、坂本 龍一の1stソロアルバム。当時、彼は26歳。新進気鋭のミュージシャンとして注目される中、まだ珍しかったシンセサイザーとコンピュータを全面的に用い、膨大な時間をかけて本作を作り上げた。YELLOW MAGIC ORCHESTRAの結成と同時期でもあり(YMOの1stアルバムは『千のナイフ』の1か月後にリリースされた)、彼の初期キャリアを語る上で外せない重要作と言える。まず9分34秒のタイトルトラックからして圧倒される。ボコーダーによる詩の朗読がフィーチャーされた長い長いイントロを抜けると、そこに広がるのは極彩色のシンセサウンドが織りなす壮大な音楽絵巻。東洋風のメロディにレゲエを引用したリズムが心地よくブレンドされる。渡辺香津美のほとばしるようなギターソロも聴きものだ。他にも、高橋悠治とのコンセプチュアルなピアノデュエット 「GRASSHOPPERS」、YMOのライブでもよく演奏された感動的なラスト「THE END OF ASIA」など、魂の入った楽曲がずらりと並ぶ。坂本ファンならずとも聴いておきたい一作だ。

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