キース・ジャレットの2000年代に行われた活動の記録の一つで、2006年7月、イタリアのべネチアにあるフェニーチェ劇場で開催されたピアノソロコンサート。事前の準備なしの自由な即興を中心にした2枚組の内容で、ブルージーなブギが楽しめる"パート VIII"、壮大で豪華なバラード"パート IV"、ゴスペル調でスウィンギーな"パート V"など多彩なスタイルが楽しめる。さらに、幽玄な雰囲気から魔法のような展開の"パート VI"や、予測不能な変化が不思議な影を落とす"パート VII"では、彼が別の次元に突き抜けてゆく様子を聴くことができる。また、ギルバート＆サリヴァンのオペレッタ『The Mikado』の楽曲"ザ・サン・フーズ・レイズ"を挟み込む粋な演出や、ヨーロピアン・カルテット時代の代表曲"ブロッサム"も作品に花を添えている。