ポップセンスと実験精神を持ち合わせた3ピースバンドが、デビュー10周年の節目にリリースした6作目のオリジナルアルバム。変則的なリズムやリフを丹念に織り上げ、異質でありながら端正な美しさもたたえたアンサンブルを奏でる。現実社会のほころびや矛盾をファンタジックな言葉でつづる歌詞も、ますます鋭さを増し、中でも"町A"や"デヴィルズ&モンキーズ"のように、印象的な単語の羅列で情景を描く手法は画期的。プログレッシブな展開で圧倒する"無限会社"、ピアノのトリッキーなリフとドラムのハイハットの音が絶妙な間合いで絡む"世界陸上"など、洗練された独自性を極めた12曲。