彗星ポッドキャスト 作家・森大那の文学講座 彗星読書倶楽部
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小説家・批評家の森大那(ウェブサイト『彗星読書倶楽部』管理人)が配信する、本を通して世界の解像度を上げるための音声番組。
毎回1つのテーマを、約10分のエピソードを3回〜5回で解説します。
単なる本のおすすめを超えて、「書物の現場」の奥深くを探索し、その本の核、その本からしか得られない思考・感性をお伝えしていきます。
BGMは、世界中でカルト的人気を誇るミュージシャン、antihoneyさん。http://antihoney.com/
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#24:天才の消息、世界の消息 アルチュール・ランボー 『地獄の季節』
ランボーが生前唯一、自分の手で出版できた本『地獄の季節』。単なる地獄巡りの物語ではなく、自分の民族的な出自や、思想の問題、創作の問題も取り上げられる、錯乱した筆運びのエッセイです。読みやすいかどうかと問われれば難解としか言いようのないこの作品は、しかし20世紀のアーティストたちに多大な影響を及ぼしました。それはなぜなのか……?
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#23:天才の消息、世界の消息 アルチュール・ランボー 「酔っぱらった船」「いちばん高い塔の唄」「おお季節よ おお城よ」
読者の理解を絶するほどに大胆な色彩。誰の意思にも従わない生き方。ランボーの詩のリズムは、一読するだけでも何か強烈な印象を残し、よくよく読み込んでゆくとそこに徹底したコンセプトを垣間見ることができます。映画、舞台、小説、漫画などに引用されることの多い3つの作品に描かれているものを読み取ってみましょう。
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#22:天才の消息、世界の消息 アルチュール・ランボー 「感覚」「太陽と肉体」
ランボーはどのようにして詩人となったのでしょうか? 学校では神童であった彼は、16歳の時にパリ在住の"高踏詩人"•バンヴィルに自作を送ります。 実にわかりやすい内容から、神話世界を観念的に描いたものまで、その実力はすでに恐ろしい水準に達していました。 これら初期作品にすでに見られる、ランボーの基本思想を抜き出してみましょう。
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#21:天才の消息、世界の消息 アルチュール・ランボー 「永遠」「ロマン」
あらゆる制限から放たれ、自由を求め続けた早熟の天才詩人、アルチュール・ランボー。
しかしその魅力を語ろうとすると、なかなか難しいものがあります。
なぜ人は、この謎めいた詩に心を奪われるのでしょうか?
現在も研究が進められているランボーの言葉の秘密に迫ってみましょう。 -
#20:迷宮のごとき問題作 安部公房『箱男』5/5
今も世界で読み継がれる作家・安部公房とは、どんな人物なのか。
『箱男』篇の最後に、彼の独自の思考を簡潔に解説します。
いったい何が、安部公房にあの大胆な作風を書かせたのか?
彼は写真で何を撮影したのか?
晩年まで創作意欲が衰えなかったのは、なぜなのか……? -
#19:迷宮のごとき問題作 安部公房『箱男』4/5
本作の中に登場する台詞の中から、特に注目すべきエピソードをご紹介します。箱男になる前、ニュース依存に陥っていた主人公。そこから抜け出したきっかけは、ニュースそのものへの批評として、私たちに驚くべき見方を与えてくれます。また、箱男が箱から出るために必要なあるモノを語る場面は、ユーモラスでありながら、作者の思考の性質をほのめかしています。